ショートストーリー
明日への贈り物 Episode5
子育てに慣れない父親のワンオペ育児 限界の彼を救った一筋の光
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
何もかもが分からない育児で誰かに頼ることを知った瞬間
息子が1歳になる頃、単身赴任が終わり家族3人での生活が始まった。元々体の弱い妻が、病気で寝たきりになってしまったことをきっかけに育休を申請。それまでバリバリ仕事をしてきたので体力には自信があり、気合十分で始めた育児だった。
しかし、いざ始まると、離乳食にオムツ替え、寝かしつけ、続く夜泣き…。そのやる事の多さと分からないことだらけでストレスがたまっていくばかり。
とうとうある日、妻を病院に送り届けた後、後部座席で相変わらず泣き続ける息子を見ても何もできず、車内に閉じこもることしかできなかった。
数日後、定期健診に行った際、医師にその出来事を相談してみると、自治体の子育て支援やカウンセリングの案内をしてくれた。それが子育てになじめない自分にとって、一筋の光となった。
現在、私たちは自治体の子育て支援を得ながら夫婦で子育てをしている。息子も少しずつ言葉を話すようになり、コミュニケーションが取れるようになってきた。子育ては一人ではできない。今、ようやく一人の父親として小さな一歩を踏み出し始めたのだ。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています