ショートストーリー
明日への贈り物 Episode7
一時保護をされた幼い私 家族がまた一つになるとき
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いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
酒に酔う父と困惑した母 助けを得て取り戻した家族の絆
父と母と3人暮らしだった我が家。私が5歳になる頃、優しかった父が酒に酔うと乱暴に振る舞うようになった。夜中、隣のリビングから父の怒鳴り声が聞こえる日が増え、その度に私は頭まで布団をかぶって朝を待った。その頃から母も、些細なことで私をきつく怒るようになった。
ある日、母が思い詰めたような表情で誰かに電話をしていた。
次の日、数人の大人(今思えば、児童相談所の方だったのだろう)が来て、痛いところはないか、家の様子などを聞かれたりした。そして、「今日はお泊まりしようね」と、どこかの施設に連れられ、そのまま何日かを過ごした。どれくらいの日にちかは覚えていない。ただ、両親に会えない寂しさからとても長い時間に感じた。
やがて両親と再会。私に謝る二人からギュッと抱きしめられ、その温かさにホッとしてワンワン泣いてしまった。それから父の怒鳴り声も、母の怒る表情もなくなり、元の幸せな家庭に戻っていった。あのとき、家族のために勇気を出して児相に助けを求めた父と母を私は心から愛している。ただ、孫を甘やかすのだけは程々にして貰いたい。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています
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